戸建住宅をコア事業に、賃貸住宅、分譲マンション、商業・物流施設、ホテル運営など経営の多角化を進める大和ハウス工業。2018年4~12月期の連結決算は、純利益1843億円と7年連続で過去最高となった。業態を広げるなか、重視するものとは何か。芳井敬一社長に訊いた。
──最近の大和ハウスは住宅メーカーというより、多種多様な業態の総合商社という印象です。今年4月に広島でオフィス・商業複合施設「グラノード広島」を、来年春には沖縄で水族館付き大型複合施設をオープンすると報じられました。
芳井:弊社のビジネスはそもそも「街づくり」がベースでした。土地を造成して、値ごろ感のある価格帯で良質な住宅を建てようと。そうなると賃貸アパートなど集合住宅も視野に入ってくる。
そして1軒、また1軒と人が住むようになってくると、そこに「足りないもの」が浮かびあがってきます。次に考えるべきは、その街にお客様に喜んで頂ける「付加価値」をどうつけていくか。それでスーパーや飲食店などを備えた流通店舗の事業が始まった。
そういう考え方で今の事業拡大に至るわけですが、長年の懸案はそうした住宅整備の前段階であるインフラ分野を手がけていなかったことでした。