ペナントレース開幕前のこの時期、スポーツ紙には12球団の威勢のいいニュースが並ぶ。しかし、番記者たちは「とても紙面には書けないヤバイ話」を日々耳にしている。記者たちが「取材メモ」を明かした──。
セ球団担当記者A:キャンプでは中日の根尾(昂、18)と松坂(大輔、38)が早々に離脱し、中日番は“この2人しか見出しにならないのに”とボヤいていました。ところが、オープン戦に入ってから日本ハム・清宮(幸太郎、19)に楽天・則本(昂大、28)とケガの離脱者が相次いだので“仲間ができた”と笑ってましたよ。
在京スポーツ紙デスクB:まァ、よくある話だな(笑い)。今回、清宮が手術した右手有鉤骨は、秋季キャンプから違和感があって検査を繰り返してきた箇所だけに、球団側の管理が甘かったと言われても仕方ない。ラグビートップリーグのヤマハ発動機で監督を務めた清宮パパ(克幸氏)も、「未然に防げたはず」とショックを受けているようだ。
パ球団担当記者C:清宮の容態はもちろんですが、日ハムの首脳陣は“清宮にファーストのポジションを奪われたくない”とお尻に火が付いていた中田翔(29)が気を抜かないか心配しているようです。
在阪スポーツ紙デスクD:もっと頭が痛いのは、侍ジャパンの強化試合を放送するテレビ朝日かもね。各球団の主力選手の多くが参加せず、清宮は数少ない“視聴率を稼げるスター”だった。宣伝VTRなどの差し替えでてんてこ舞いと聞く。
デスクB:清宮は想像以上に深刻らしい。「そもそも右手に負担のかかる打撃フォームだから、修正の必要がある」と指摘するOBもいる。球団は復帰まで3か月と発表したけど、その後にフォーム修正となればさらに時間がかかるかもしれない。一番怖いのは、修正の段階であのパワーが消えてしまうこと。でも、球団が「3か月」と言っている以上、それより踏み込んでは書けないよね。
※週刊ポスト2019年3月22日号