ペナントレース開幕まであと少し。今年こそは活躍をと期待されている選手に対して、スポーツ紙などでは威勢のいいニュースが並ぶ。ところが、記者たちに話を聞くと「とても紙面には書けない話」がいくつも飛び出してくる。右打者へのノーコン癖が心配される阪神の藤浪晋太郎(24)は、オープン戦登板後の囲み取材の最中に、近くにあったテレビの競馬中継に釘づけだったなんて話まで……。
在阪スポーツ紙デスクD:藤浪は大阪桐蔭の後輩の根尾(昂、18)を見倣ったほうがいいんじゃないか。練習態度も取材対応も、本当に真面目だよね。
在京スポーツ紙デスクB:見倣われたら、それはそれで困るよ。ほとんど表情を変えずに優等生的な受け答えしかしないから、“真面目すぎる”“書くネタがない”と担当記者は嘆いているほど。「もう少し若々しく話してくれたら……」というのが本音。
パ球団担当記者C:根尾と同じルーキーの日ハムの吉田輝星(18)は「(同部屋の)柿木(蓮・18)のイビキがうるさくて起きました」とウケ狙いのコメントをしますし、大阪桐蔭の同級生でロッテの藤原(恭大、18)は、「東京都って何県ですか?」と言うほど天然ですからね(笑い)。取材する立場からすれば初々しさがあってありがたい。
セ球団担当記者A:唯一、根尾がキャンプ中に球団関係者をヒヤヒヤさせた瞬間がありました。キャンプを訪れた掛布雅之さんや中畑清さんといった大物評論家に、根尾はきちんと挨拶していたのですが、気が付かずスルーしてしまったのが“喝!”で知られる張本勲さんだったんです。打撃ケージの真後ろで見ていたのに最後まで挨拶をしなかった。
練習後にそのことを記者から知らされると、「分かりませんでしたが、映像も見たことがあるし、凄い選手だと知っています」とフォローしていたが、その時もまるで焦った様子を見せない。ありゃ大物ですね。
※週刊ポスト2019年3月22日号