プロレスのリング上に、身長3メートル、体重500キロの巨大パンダレスラーであるアンドレザ・ジャイアントパンダとともに、紅白歌合戦にも出演した“スーパー銭湯アイドル”純烈のリーダー・酒井一圭(かずよし)の姿があった。
酒井や、酒井に呼ばれてリングに上がった他の純烈メンバーが波状攻撃をしかけるも、アンドレザ・ジャイアントパンダはすべての攻撃を受け流す。酒井の渾身の一撃もヘッドバットで返り討ちに。アンドレザ・ジャイアントパンダが、リングの上で大の字に倒れている酒井めがけとどめのアンドレザプレスを見舞うと、3カウントが入り勝負あり。勝利したアンドレザ・パンダが純烈に新メンバーとして加入することが決まった。
これは2月16日に東京・両国国技館で行われたDDTグループのエンターテインメントプロレスイベント「マッスル」の1シーンだ。この日は、酒井が実に8年4か月ぶりにプロレスラーとしてリングに復帰した日でもあった。実は酒井は、2010年に純烈としてデビューする前は「酒井一圭HG」というリングネームでマッスルに参戦していた。「百獣戦隊ガオレンジャー」などで俳優として活躍する傍ら、元来のプロレス好きが高じてプロレスラーとして活動していたのだ。酒井は2005年の「マッスルハウス1」でプロレスデビューを飾り、2010年にマッスル自体が終了すると同時にレスラーを引退。その後、“アイドル”に転身。純烈としてデビューしている。
今回、そのマッスルが久々に復活するのに際し、紅白出場歌手にまでなっていた酒井もプロレス復帰。その中で「純烈新メンバーオーディション2019時間差バトルロイヤル」が行われた。これは「酒井が勝てば純烈は4人体制のまま、他の選手が勝てば勝者が純烈新メンバーとして加入」というもの。結局酒井は最後の2人まで残ったものの勝者になれず、優勝したアンドレザ・ジャイアントパンダが純烈新メンバーの座を勝ち取ったのだった(しかし、その後アンドレザ・ジャイアントパンダに不倫疑惑が発覚し即日脱退している)。
自身もMCや演出家役としてリングに上がる、DDTプロレスリングの今林久弥氏は言う。
「久々にリングで見た(酒井)一圭は変わってなかったですね。人を楽しませたいという根本のところは同じ。ちゃんと試合してましたからね。でもちょっと太ったかな、お互い(笑)」