いったいあの騒ぎはなんだったのか。その「奇妙なインパクト」だけで人々の記憶に残った平成の事件のひとつが、2001年12月の「青森県住宅供給公社巨額横領事件」、通称・アニータ事件だろう。
青森県住宅供給公社に勤める日本人夫が横領した10億円を使って母国のチリに大豪邸を建て、「私は分からない。私に責任はない」と開き直ったことで大バッシングされたアニータ・アルバラードさん。「日本で最も有名なチリ人と」と呼ばれ、事件の翌年には本誌・週刊ポストでヘアヌードにも挑戦した。
「撮影はチリのアニータさんの豪邸で行われました。その時、彼女がインタビューで語った『ワタシ、泥棒じゃない。カレ、泥棒』という言葉は、今でも印象に残っています」(当時の編集者)
そんなアニータさん、現在は母国でも顔を知らない人はいない存在となっていた。
「歯に衣着せぬ辛口コメントがウリのタレントとして人気を博しています。視聴率8%でヒットとされるチリで、『アニータの家』という彼女の生活に密着した番組(2010年放送)は平均35%を記録した」(親交のあるジャーナリスト・カルロス矢吹)
※週刊ポスト2019年3月22日号