「女になんかに命令されたくない」「子供を産んで働くのは無理」「嫌なことがあったら泣くか、すぐヒステリーを起こす」。今よりも働く女性に対する風当たりがもっと強かった時代に、数々の中傷をはねのけ、男性に嫉妬されるほどの人望と成功を手にした女性たちがいる。
それは、CCCサポート&コンサルティング 代表取締役会長兼CEO・奥谷禮子さん、PR会社であるサニーサイドアップ代表取締役社長・次原悦子さん、洗濯代行サービス「WASH&FOLD」を運営する株式会社アピッシュ代表取締役・山崎美香さん、様々な商業施設のプロデュースなどを行う「柴田陽子事務所」代表取締役・柴田陽子さんの4人だ。
自身の考えをひるまずに発言し、男女問わず多くの人に慕われる4人の経営者は、その頂から何を見ているのか。そこには、想像をはるかに超える“覚悟”と“信念”を聞いた。
彼女たち4人の女性社長は、それぞれ個性的で違った魅力を放っているが、譲れないものに共通するものがある。彼女たちは最初から完璧だったわけではないが、「知らない」というハンデを“強み”に変えて「助けてもらう力」を発揮した。
その筆頭は奥谷さんだ。
「最初は周囲の男性に『それ、知らないから教えてください』と図々しく何でも聞きました。知らないことを教えてもらうのは面白く、今でもITなどでわからないことがあれば、恥ずかしがらず人に聞きます。ただし、お世話になったかたには、きちんと礼をつくす。心を込めたお礼状を必ず手書きします」(奥谷さん)
女性の場合、仕事だけでなく、私生活でも“助けてもらう力”が重要になる。
「育児だってできる限り、周囲を巻き込んで人を頼ればいいんです。『私の母が家に入ることを夫が嫌がる』とか『義母には頼れない』という女性もいますが、少なくとも変なプライドを捨てて周囲を説得して、何とかしようとする努力は必要で、それがダメだったらまた次の手段を考えればいい。忙しい女性こそ、なりふり構わず“人に助けてもらう力”を身につけてほしいですね。それに誰だって頼られたらうれしいものですから」(柴田さん)
仕事を始めた以上は、「覚悟」を持つことも大切だ。