穏やかな春の気配が漂う3月10日。都内の大学病院周辺を散歩して20日ぶりに陽光を浴びた堀ちえみ(52才)は、鳥のさえずりや花壇の花に接して「生きているんだなぁ」と実感したという。
2月22日、11時間にわたる舌がん手術を受けて舌の6割を除去した堀は、3月6日からリハビリを開始した。
3月9日のブログでは、しゃべりづらい状態ながら、病院内のコーヒーショップでアイスコーヒーを注文することができた喜びを綴り、《前向きに頑張る!》と決意を示した。だが、リハビリは決して楽な道のりではない。
「太ももの組織を採って舌を再建したようですが、嚥下機能は大きく低下。リハビリでは残った舌を動かしてモノをのみ込む訓練をします。また、舌の形が変わるので発声練習も苦労する。堀さんは頸部のリンパ節を除去しているため、しびれや痛みが出るのでそれらを緩和するマッサージも自分で覚えないといけない。最初は思うようにいかないものですが、リハビリを続けることが必要です」(医療ジャーナリスト)
リハビリ初日、堀も発声と呼吸、嚥下を練習し、顔と首のマッサージ法を学んだ。なかでも舌を動かして、とろみのついたゼリーを喉の奥に押し込む嚥下の練習が難しく、何度繰り返しても喉の手前でゼリーが崩れてしまった。
だが、翌日のブログに堀はこう記した。
《もたつく新しい舌を、一生懸命引っ張ってゼリーを追いかけて。そしてゴール(喉元へ)に向かって、シュート!》
闘病に立ち向かう堀を支えるのは夫と7人の子供たちだが、家族以外とは「面会拒否」の日々が続いている。堀の40年近い、友人女性が語る。
「電話はできないと思ったのでメールを送っていますが、返事はありません。彼女と親しい人に聞くと、“今は家族以外と面会していない”と言われました。2番目の旦那さんも連絡がとれず、堀さんの病状をわかっていないそうなんです」
別の知人女性も心配そうな表情でつぶやく。