3月上旬の週末、夜10時を回り、ようやく賑わいが一段落した東京・麻布十番の老舗焼肉店。いちばん奥の席から、よく通る男性の声が聞こえる。
男性は身振り手振りで熱く語り、向かいの女性はぽろぽろとこぼれる涙と鼻水でティッシュペーパーが手放せない。そんな彼女を見てその隣の女性ももらい泣きしながら、ハイボールをグビグビと飲む。
女性2人は、3月1日に行われた日本アカデミー賞で9部門を総なめにし、8日の地上波放送も話題となった映画『カメラを止めるな!』でヒロインを演じた秋山ゆずき(25才)と、主人公の妻役のしゅはまはるみ(44才)。男性は北村一輝(49才)だった。
北村は秋山の手を掴み、
「こうきたら普通はこうするでしょ! でもそこをこうするとほら! カメラの前ではね、こうなんだよ!」
と右に左にと手を振って言葉に力を込める。女性2人は、
「あぁ~~っ! なるほどなるほど、ホントですね!」
とポン!と手を打って頷いた。どうやら熱心に演技論を交わしていたらしい。
「よく“お前は気持ちが入ってない”って言われるんです…。どうやればいいのかわからなくて…」
と秋山が号泣すると、
「うちの娘を泣かせないでくださいよ~」
と、しゅはまも涙。その激情ぶりは『カメ止め』さながらだが、3人の関係とは。