プロ野球チームにとってコーチの役割は重要だ。今シーズンの新任コーチには、テレビのバラエティ番組で活躍していたイメージが強い人が少なくない。原辰徳監督の“第3次政権”がスタートした巨人も、コーチの陣容は様変わりし、お茶の間の人気タレントとなった人も入閣した。
特に話題を呼んだのが、宮本和知・投手総合コーチ(55)と、元木大介・内野守備兼打撃コーチ(47)の“タレント出身コンビ”だ。とくに宮本コーチは野球解説者も続けていたとはいえ、お笑い芸人を相手に、元野球選手だったとは思わせない受け答えをしていた。コーチ陣に加わって大丈夫なのかと心配する声もあったが……。
ある若手選手は昨年、コーチ就任が決定した後、こう語っていたほどだ。
「コーチとかウソでしょ? って思いましたもん。たしかに宮本さんはちょくちょく球場にお見えになりますが、『好きな食べ物』『好きな髪型』とか聞いてくるだけで、指導することはない。なかには『ガングロおじさん』とからかう選手もいるほど。元木さんに至っては球場よりバラエティで見るほうが多い。これからユニフォームを着て、指導するなんて実感が湧きません」
しかし、実際にコーチに就任して以来、評価は変わってきたようで、巨人の担当記者はこう語る。
「テレビのイメージからすると、2人とも驚くほど寡黙。それでも紙面で“使える”コメントをしてくれるのでありがたいですね。
宮本コーチは、ドラ1新人の高橋優貴(22)のシート打撃でのピッチングを見て“先発ローテーションの『先発ロー』までは見えた、あとは『テーション』かな”と一言。長年のテレビ出演で鍛えたコメント力はさすがです」
※週刊ポスト2019年3月29日号