今年も桜開花のシーズンがやってきた。春爛漫──ひと足早く有名写真家4人が自選した「二度と撮れない絶景桜」の“決定的瞬間”をお届けしよう。
【東日本大震災後、人々が取り戻しつつあった日常】
(撮影■佐藤信太郎/2011年4月10日)
東京スカイツリーと周辺の景観を、建設中だった2008年から記録しています。大好きな浮世絵のように四季を埋め込みたくて撮ったのがこの景色。
東日本大震災から1か月後、東京・浅草のお花見風景を分割撮影し、十数カットを繋げてパノラマにしました。
震災直後は外出を控える人も多かったですが、桜を楽しむ余裕が生まれていた。よい意味で日本人の楽観的な一面を見た気がします。
●さとう・しんたろう/1969年、東京都生まれ。写真家。都市を独特の視点で捉え、2012年に林忠彦賞受賞。東京・ギャラリーPGIにて作品展「The Origin of Tokyo」を開催中(~4月13日)。3月、写真集『非常階段東京 The Origin of Tokyo』(青幻舎刊)を出版。