ペットの保険会社・アイペット損害保険の調査によると、猫と一緒に暮らしていて困ることの第1位は「家の中での爪研ぎ」だった(2018年「猫に関する調査」より)。
確かに家具や壁紙などをボロボロにされるのは困る。しかし人間にとっては不都合な行動でも、爪研ぎは猫にとっては“正常な行動”。やめさせることはできないと、獣医行動診療科認定医の藤井仁美さんは言う。
「爪研ぎをする理由には、【1】体のストレッチ、【2】爪の手入れ【3】マーキング、その他、飼い主の関心を自分に向けるためや、ストレスを感じた時に気持ちを落ち着かせるなどの意味もあります。無理にやめさせるとストレスとなり、攻撃性が増すなど、別の問題行動を起こす可能性があります」(藤井さん)
猫が家のあちこちで爪研ぎをしないためには、猫が好む爪研ぎ器を用意してあげることが大切だという。
「爪研ぎ器の素材や形状はさまざまあり、好みが分かれます。数種類用意して、好きなものを選ばせましょう」(藤井さん)
お気に入りの爪研ぎ器は、爪をよく研ぐ場所の近くに置き、家具など別の場所で爪研ぎをしようとしたら、おやつなどで爪研ぎ器に誘導しよう。これを繰り返せば、問題行動は減るはずだという。
また、爪研ぎされると困る家具にはカバーをかけたり、壁に傷防止のシートを張るなど、物理的に傷がつかないよう対策しておくことも大事だ。
※女性セブン2019年3月28日・4月4日号