飼い猫が、「トイレではない場所で排泄する」問題について考える人も多いだろう。原因は、泌尿器系の病気など医学的なこともあるが、トイレ環境が問題なことも多い。獣医行動診療科認定医の藤井仁美さんは言う。
「トイレが汚れているなど、トイレ自体に問題があることが多いです。トイレが気に入らないと、不適切な場所で排泄したり、おしっこをがまんして膀胱炎になるケースも。猫が快適に排泄できる環境を整えてあげましょう」
トイレの大きさは猫の体長の1.5倍を目安に、蓋のないタイプを用意する。その中に、粒子が細かくてやわらかい、無臭の砂をたっぷりと入れる。そして猫が排泄をしたら、なるべく早く汚れた箇所を取り除こう。
トイレに入れる猫砂は、目の細かい固まるタイプがおすすめ。砂の全交換、トイレ本体の洗浄は、2週間に1回のペースで行うのが理想的。
「トイレは、猫の頭数プラス1個を用意。それを、静かな場所に置きます。戸建てで1階と2階を行き来する環境なら、各階に最低1個は用意してあげるとよいでしょう」(藤井さん)
トイレ環境を改善しても治らない場合は、病気の問題、もしくは飼い主や同居猫・犬などとの関係が悪化している可能性があるという。
「多くの問題行動は、病気やストレスが原因なので、獣医師の診察を受けることも大切。その上で、猫が安心して過ごせる環境を用意してあげてください」(藤井さん)
問題行動にはすべて意味がある。猫の習性や好みを理解して、対応してあげよう。
※女性セブン2019年3月28日・4月4日号