日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)が、6月末での退任を発表した。後任は1984年のロサンゼルス五輪の柔道金メダリストの山下泰裕氏(61)が有力視されているが、一方で、竹田氏の“身の振りよう”も注目を集めている。
「JOC内部では、竹田氏を名誉会長として留めようとする動きがある。五輪前年にトップを“切った”ような印象を残すのは、本番に向けた世界へのイメージ戦略として得策ではない。ですが、退任のきっかけにもなったフランス司法当局からの贈賄容疑での捜査はまだ続いており、本人は潔白を主張していても、JOCとして明確な結論を出せずにいる」(全国紙社会部記者)
旧皇族の竹田家に生まれた竹田氏だが、誕生は1947年の皇籍離脱直後だったため、「皇族」であった経歴はない。それでも、明治天皇のひ孫で、今上天皇のはとこにあたる竹田氏を、名誉総裁や理事として迎え入れたいという団体は複数あるという。
「全国8万の神社を束ねる宗教法人『神社本庁』の“統理”に就任するのではという噂もあります。神社本庁と皇室の関係は深く、現統理の鷹司尚武氏は、義理の母が昭和天皇の娘にあたる。神社本庁にとって統理の存在は“箔付け”の意味も強い。
また竹田氏にとってもメリットがある。統理になれば役員報酬に加え、視察や会食の経費、運転手付きの送迎車に予算が出る。かつて竹田氏は、神社本庁と関係の深い『日本メディア・ミックス』という会社の取締役を務めていた(2013年3月に退任)こともあり、十分可能性はある」(同前)
手を差し伸べるのは誰か。
※週刊ポスト2019年4月5日号