昨今高視聴率作品が次々と生み出されるNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)は4月1日から放送される『なつぞら』で、100作目を迎えるでは、朝ドラ第1作目はどのように作られていたのだろうか? 1961年第1作『娘と私』で麻里役を演じた北林早苗さん(75才)はこう語る。
「朝ドラ第1作の『娘と私』はほかの作品と違って、放送時間が20分で、カメラ3台の長回し。
しかも、生放送のように、始まったら20分の一発撮りだったんです。だから、NGを出したら、また頭から撮り直しです。大変だったのは、シーン替わり。
朝食の次に学校の場面があると、カメラが花瓶にズームしている間に走りながら素早く着替え、呼吸を乱さないようにすました顔で座る(笑い)。その連続でした。
朝ドラは今でこそ新人の登竜門と注目されていますが、私のときにはそんなことはなく、『朝の連ドラを試してみたい』と始まった企画でした。
私の両親役は、北沢彪さん(享年69)と加藤道子さん(享年84)でした。当時まだテレビドラマが普及していない時代。出演者はみなラジオドラマのエース級のかたがたでした。
当時17才だった私は今75才。北沢さんも加藤さんも、皆他界されています。が、今も朝ドラが元気で人気があるのは、ヒロインだけではなく出演者全員がきちんと仕事をして、バトンを次につなげていったからでしょうね」
※女性セブン2019年3月28日・4月4日号