4月に行なわれる統一地方選を前に、永田町が慌ただしい。政権中枢にいる議員らの発言ばかりが逐一取り上げられているが、趨勢を決める“鶴の一声”は実は地方から発せられる。
東京都議会では連日、自民党が小池都政を追及して大紛糾しているが、かつて「都議会のドン」と呼ばれた内田茂・元東京都議(80)が“影の司令塔”として存在感を強めているという。
「地方のドン」は他にもいる。国会では言いたい放題の麻生太郎・副総理だが、地元・福岡で「麻生さんもこの人だけには逆らえない」(麻生系議員)といわれるのが“県政のドン”蔵内勇夫・県議(65)だ。自民党県議団会長を12年務め、他県では国会議員ポストとされる県連会長を務める。
現在進行中の福岡知事選は地元で“麻生の乱”“独り相撲”とも呼ばれる。麻生氏が現職知事に対抗して新人候補を擁立し、保守分裂選挙となっているからだが、その原因は蔵内氏への“借り”を返すためだという。地元議員の話だ。