国際情報

なぜ韓国では「桜の原産地=韓国」説にこだわり続けるのか

韓国が桜の原産地にこだわる理由とは?

 各地で桜の開花が確認され、春本番を迎えている。桜の木の下で飲食などを楽しむ「花見」は日本独特の文化・風習だが、実は日本統治時代を通じて韓国にも、花見の風習が根付いている。ところが近年、韓国では桜も花見の風習も「韓国オリジナル」という主張が盛んに繰り返されている。なぜか? 韓国人のノンフィクション・ライターで『韓国「反日フェイク」の病理学』を上梓する崔碩栄氏が解説する。

 * * *
 桜の時期になると毎年繰り返して話題に上がるのが、日本と韓国の間の「原産地」論争だ。そうはいっても日本側での反応は薄い。韓国側だけが、「韓国=原産地」説に物凄く執着するのだ。韓国のこの執着はどこから生まれたのだろうか?

 実は、桜の原産地が韓国だという主張は1950年代にも存在した。しかし、一部の主張にとどまり、大部分の韓国人にとって桜は日本の花であり、日本を象徴する花だと考えられていた。それは、終戦直後に日本統治から解放された韓国のあちらこちらで、韓国人の手によって桜の木が伐採されたことが何よりもはっきりと証明している。「桜=日本のもの」という認識があったからこそ、日本に対する反感を桜に向け、怒りをぶつけたのだ。

 また、戦後にも「花見」に出かける韓国人たちの姿を見咎めて、問題提起をするような新聞記事が1990年代までは何度も書かれている。日本文化である花見を楽しむ姿は目に余るという理由だ。

 終戦直後の韓国には、花見を楽しみたいという素朴な気持ちすら罪悪視されるほどに強烈な反日感情が充満していた。美しいものを見ても「敵の文化と象徴を愛でてはならない」とされ、美しいと感じる感情は悪であると教え込まれた。だが、韓国人の本能を抑え続けることはできなかった。春になると人々は桜を見に出かけ、桜が有名な地域には全国から観光客が殺到した。このような風潮に対して、「韓国の花もいろいろあるのに何で日本の花?」、「日本文化の真似だ」といった懸念の声があがったことは言うまでもない。

 これに対し、これらの懸念をきれいに払拭してくれる主張が登場したのだ。それこそが「桜の原産地は韓国である」という主張だ。つまり、日本の象徴であり、日本の花だとして知られていた花は実は韓国原産である、という主張は、桜を愛する韓国人たちを罪悪感から救ってくれたのだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
さいたま市大宮区のマンション内で人骨が見つかった
《さいたま市頭蓋骨殺人》「マンションに警官や鑑識が出入りして…」頭蓋骨7年間保管の齋藤純容疑者の自宅で起きた“ある異変”「遺体を捨てたゴミ捨て場はすごく目立つ場所」
NEWSポストセブン
大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン