“大阪の陣”“福岡の乱”“島根の変”──統一地方選(前半は4月7日、後半は4月21日投開票)の中でも、とくに「勝敗が中央政界に直結する」(自民党選対幹部)と見られているのが、大阪、福岡、島根での3つの知事選だ。
万博を控えた大阪市長選と府知事選のクロス選挙は、大阪維新の会と自民党大阪府連が激突。大阪の選挙で維新にやられっぱなしの自民党は二階俊博・幹事長が自ら陣頭指揮を執る。
「わかっているよ。バカヤロ~」
告示日の3月21日、大阪で街頭演説に立った二階氏は、予定時間を過ぎて演説を止めようとしたスタッフをそう叱責して「ワケのわからん人を大阪の代表にしてはダメだ」と維新を批判するなど並々ならぬ力の入れ方だった。
「維新のバックに“影の総理”と呼ばれる実力者、菅義偉・官房長官がいることは党内周知のこと。二階氏にすれば、勝って維新を弱体化させ、中央では菅さんの力を削ごうとしている」(前出・自民党幹部)
二階vs菅の代理戦争と化しているという指摘である。
「これは造反だ」
福岡県知事選でそう苛立ちを露わにしたのが麻生太郎・副総理だ。麻生氏は県連の反対を押し切って知事選に新人候補を擁立、安倍首相に「推薦をもらえないなら副総理を辞める」と談判して自民党推薦を取り付けたとされる。