数多の人気ドラマや映画の撮影が行われてきた東京・世田谷区の撮影スタジオ、東京メディアシティ(TMC)のなかにある喫茶店『今昔庵』の名物マスター・福田起弘さん(55才)。
1992年のオープン以来、バラエティー番組にも何度も取り上げられるなど、錚々たる芸能人に親しまれてきたが、2月7日に惜しまれながら閉店した。
人生の半分をこの店で過ごした――マスターは、ざっくばらんな接客で、訪れる芸能人との距離感は近い。テレビでは見られない知られざるエピソードを福田さんに聞いた。平成の芸能界を盛り上げた数々の「結婚」。その打ち合わせも『今昔庵』で行われていた。
「和久井映見ちゃん(48才)と萩原聖人くん(47才)の結婚もそう。『夏子の酒』(フジテレビ系)で共演して、うちの店でも仲よくしていました。結婚披露宴や二次会は中井貴一さん(57才)が先頭に立って企画を立てていて、その打ち合わせを、よくうちでしていましたね」
柏原崇(42才)と畑野ひろ子(43才)、辺見えみり(42才)とキム兄こと木村祐一(56才)の仲を取り持ったのも、福田さんだったという。
「えみりとキム兄は、“番組でキム兄が作っていた料理がめちゃめちゃおいしそうだったから、作り方を教えてって、えみりが言ってたよ”ってぼくが橋渡ししたのが、そもそもの馴れ初め。なにしろメールもLINEもない時代。
タレント同士でなかなか連絡がとれないから、“マスターに言う方が早い”って感じで。その時、キム兄が“じゃあ、電話しておくわ”と言って、そこから交際が始まったみたい。矢田亜希子(40才)もデビュー間もない頃から店に来ていた。結婚するって言うから、“相手は?”って聞いたら、押尾学(40才)だって。その前の交際話とかも聞いていたから、正直、ちょっと意外だったね。結婚が決まると、みんなぼくのところに報告に来てくれたけど…」
なぜかほとんどのカップルが離婚したというオチだった。
開店から26年間にわたって芸能人たちの素顔を見守り続け、平成の時代とともにその歴史を終えた『今昔庵』。そこでの出来事は、“平成芸能史”を映し出していた。
※女性セブン2019年4月11日号