「老眼だから仕方ない」「単なる目の疲れ」と見過ごしてしまう症状にも、意外な病気が潜んでいることがある。二本松眼科病院眼科専門医の平松類さんが解説する。
「突然、両目の視野が半分ほど欠けて狭まった時は、目の病気ではなく脳梗塞の可能性があります。片方だけ見えづらくなるなら網膜剥離の可能性がありますが、両目の視野が大きく欠損した場合は、ほぼ脳の病気だと考えていいでしょう。この場合、すぐに脳外科や脳神経内科などの専門医を受診することをすすめます」
◆目やに
“目やに”が病気のサインになることもある。
「淋病やクラミジアは目からうつることがある。感染すると目やにが出るのが特徴です。血便や発熱を伴う難病である潰瘍性大腸炎は、初期症状として視界がぼやけることがある。下痢に加えて視界がぼやけて見づらくなったら、可能性があると考えていい」(平松さん)
こうした目の異変を敏感に感じ取るために、平松さんは「片目ずつ見る」習慣をつけてほしいと話す。
「目は左右両方が補完しあって1つの物を見ているので、片目に症状が出ていても気づきにくい。40才からは、月1回のペースで片目ずつ周りを見る習慣をつけてください。看板やカレンダー、何でもかまいません。片目ずつ見て、見え方が変ではないか、急に視力が落ちていないかなど普段から確認しましょう」
◆日常の動作ができない
これまで難なくこなしていた日常の動作ができなくなるのも、病気の兆候の場合がある。医療ジャーナリストの市川純子さんが言う。
「特に脳血管のトラブルの場合は、顕著です。急に言葉が出てこない、ろれつが回らないのは、脳に大きなトラブルがある可能性が高いから。ペットボトルの蓋をあけることができなくなったとか、ぞうきんが絞れなくなったというのは、老化による握力低下ではなく、脳に問題が起こったからかもしれない。鍵穴に鍵を入れられなくなったという人もいました」
※女性セブン2019年4月11日号