イチローの引退は今も日米両国で大々的に報じられているが、引退会見でのあるやり取りが経済記者の関心を集めている。オリックス時代から思い入れのある神戸について、「何か恩返ししたい思いは?」と聞かれると、「神戸は特別な街です、僕にとって。神戸に恩返し……。恩返しって何することなんですかね」と悩んだ末に、「税金を少しでも払えるように頑張ります」と答えたのだ。
しかしマリナーズの発表通り、イチローが球団にスタッフとして残るとなれば、今後も米国暮らしは変わりなさそう。どうやって税金を払うのだろうか。
「イチローは、アメリカに資産管理会社『IYIコーポレーション』を設立し、自ら社長に就任して不動産投資などを行なっていますが、その日本支店は神戸にあります。また、同じく社長を務めるIYIジャパンという別会社も2016年に神戸に作っている。
IYIはこれまで沖縄のリゾート開発に5億円融資するなどしてきたが、今後も投資事業などを続けるのでしょう」(球界関係者)
ちなみに、IYIとは、I=イチロー、Y=弓子夫人、I=一弓(いっきゅう・愛犬の名前)の頭文字だという。法人登記を見ると、両社とも所在地は同じ住所。訪ねてみると、そこはイチローの古巣オリックスの準本拠地「ほっともっとフィールド神戸」だった。イチローはメジャー転身後もオフになると毎年ここで自主トレを行なっていた。スタッフに聞くと、「郵便物が届くので、(イチローのマネジメント会社に)転送させていただいている」とのことだった。
年俸だけでも生涯200億円を稼ぎ出したイチローから、どれくらいの「ギフト」が神戸に届くのだろうか。
※週刊ポスト2019年4月12日号