3月24日、吉田拓郎(72)は自身がパーソナリティを務めるラジオ番組で、5年前にがん闘病生活を送っていたことを明かした。「喉の声帯に白板症という異物が発見された」ため、全身麻酔による手術で除去し、異物を調べたところ、がんだと判明したという。
以降、約2か月にわたり毎日病院に通って放射線治療を続けたが、吉田を救ったのは、早期段階で声帯の「白板症」が見つかったことだったというが、どんな症状なのか。岐阜大学医学部附属病院歯科・口腔外科科長の柴田敏之氏が解説する。
「口の中や喉の奥などの粘膜の表面が角質化(硬化)して白く変化する疾患です。舌や歯肉、頬の内側、喉、そして食道まで様々な部位に発症します。白板症を放置すると約5~10%ががんに変わるとされ、『前がん病変』と呼ばれます」
がん化した場合、白板症にはどのような変化が起こるのだろうか。
「白い部分が1年の間に急激に拡大した、大きく盛り上がってきた、まだらの部分に亀裂が入り、凹凸が激しくなった、出血が見られる、などの状態だと、がん化が疑われます。
さらに、白板症ができた部位によっても特徴は変わってくる。舌や頬、歯肉などにできた場合は、がん化すると刺激物が染みるなど知覚過敏を起こすようになり、喉にできている場合は、モノがつかえたり、息苦しくなるといった症状が出ます。
ただし、白板症の一部ががん化しているなど、初期の段階であれば簡単に切除することができ、術後障害も少なくて済みます」(秋津医院院長の秋津壽男医師)