2019年のプロ野球が開幕した。ルーキーたちに注目が集まりがちだが、出遅れを挽回すべく、必死に歯を食いしばって若手と争う“オッサンたち”がいる。阪神には、慣れ親しんだポジションへの復帰を目指す選手がいる。鳥谷敬(37)は、ショートへのカムバックという茨の道を選んだ。
一昨年はショートからサードにコンバートされ、ゴールデングラブ賞を受賞するも、昨年はセカンドへ再コンバート。結果が残せず、13年続いた連続試合出場の記録も途絶えた。
今年は5年契約の最終年。このまま終わってたまるかと、不退転の決意でシーズンに臨んだ。
「ベテランですから、キャンプでの調整は自主性に任せられている部分も多い。ところが、今年は初日から若手にまじってランニングやノックなどフルメニューをこなしました」(在阪スポーツ紙記者)
阪神のショートには今年、ホンダからドラフト3位で入団した木浪聖也(24)がいる。オープン戦でチーム新人記録となる22安打を放ち、打率.373を残した。その活躍に霞んでしまったが、鳥谷もオープン戦では3割をキープした。
「昨年オフから、鳥谷は断酒しているんです。この年齢になると、コンディションを整えるのも難しくなり、大きなケガは即引退につながりますからね。
断酒効果か、ショートに求められる左右の動きはルーキーに負けていない。木浪の働きが未知数だけに、鳥谷がポジションを奪い返すことも十分考えられる。矢野燿大監督も“鳥谷が必要になるときが必ずある”と踏んでいる」(同前)
※週刊ポスト2019年4月12日号