桜満開の便りとともに始まる入学式シーズン。真新しいランドセルを背負った新1年生の姿は昔と変わらないが、彼らの学校生活は大きく様変わりしている──。
たとえば運動会。行事が集中する秋を避け、春の運動会が定着しつつあるが、見どころの「徒競走」にはきめ細かい“配慮”がある。千葉県船橋市の小学校教諭・城ケ崎滋雄氏が明かす。
「低学年のうちは早生まれがハンディになりやすいため、生年月日の順番で走らせる。高学年は事前にタイム測定し、同じくらいの速さの子が一緒に走るよう、うまく調整するのです。また、レーンは子供に選択権を与え、保護者からのクレームを防ぐことにもなるので、じゃんけんで決めます」
このほか個人情報保護の観点から、体操服の名前入りのゼッケンを全廃したり、「特定の子が目立つのはよくない」とリレーを全員参加にした学校もあるという。
“孫がリレーの選手になった”と自慢したら笑われるかもしれないので要注意だ。
そして、国際化も進んでいる。横浜市のある公立小学校は児童の半数以上が外国籍などで、運動会は英・中・韓など6か国語で放送を行なったことが話題となった。国際化を意識してか、「位置について、ヨーイ、ドン」の合図を「On your marks, get set, go」に置き換える学校もある。が、保護者からは「子供たちがスタートのタイミングが掴めない」と不評のようだ。
※週刊ポスト2019年4月12日号