日本の伝統音楽を継承する旗手たちには、若く麗しき女性も多い。十七絃箏(こと)と地歌三味線を弾き、海外でも公演を行う柿木原こうさん(36)が和楽器の魅力を語る。
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箏を始めたきっかけは、大河ドラマ『独眼竜政宗』でした。愛姫役の桜田淳子さんが演奏する姿に憧れて、「やりたい!」と言ったみたいです。5歳にしては渋い趣味ですね(笑い)。
箏の音色がすごく好きです。ピアノで弾くと退屈なフレーズも、箏だと魅力的に聞こえるほど一音一音に力のある楽器だと思っています。学生時代は弾くのが楽しすぎて、毎日10時間練習していました。やめたいと思ったことは一度もありません。
唯一の難点は、見ての通りの大きさなので運搬が大変なこと。特に海外公演のときは、他の楽器が羨ましくなります(笑い)。
●かきのきはら・こう/1982年、東京都生まれ。東京藝術大学音楽学部邦楽科卒業。5歳より生田流箏曲を学ぶ。箏のほか、十七絃箏と地歌三味線も演奏し、海外での公演も多数。茶道や書道、華道にも精通している。
■取材・文/曹宇鉉(HEW)、撮影/榎本壯三
※週刊ポスト2019年4月12日号