昨年4月にリニューアルしたNHKラジオの英会話番組『ラジオ英会話』が熱い支持を得ているという。番組テキストが異例の重版を重ねる人気ぶりで、放送回数を重ねても番組を離れる「離脱者」が少ない。
英語のプロたちも、『ラジオ英会話』の実力を絶賛する人が多い。『NHK英語講座を利用した〈具体的・効率的〉英語学習法』の著者で、英語講師の土屋雅稔さんは、「シニア世代の生徒さんで、ラジオをきっかけに英語学習に目覚めた人は大勢」とうなずく。
そこで、英会話習得のコツを土屋さんに聞いた。
◆発音記号を予習しておく
日本人は発音を誤ったまま覚えている人も多く、言葉は合っているのに、発音が問題で伝わらないことも多い。改善するには、正確な音を聴き取る工夫が必要だ。
「“日本語英語”が刷り込まれているシニアのかたは、耳だけで音を聴き分けるのは限界があります。正確な発音は英会話を学ぶ上で欠かせないポイントですので、ラジオを聴く前にテキストを読んで、単語の発音記号を細かく調べておきましょう」(土屋さん・以下同)
例えば「where」を「フェア」と「f」の音で発音する日本人が多いが、これは間違い。
「『where』の場合、発音記号を見ると、『ホェア』と『h』の音から始まっていることがわかります。今はスマホでも単語の発音記号は調べられますから、できれば最初のうちは、すべての単語をチェックしましょう」
◆スキマ時間で1日1時間リピートして聴く
英会話上達の秘訣は、勉強を「習慣」にすること。
「1回15分の番組の中で、学ぶのは長さにして正味1分程度の会話文です。10回聴くくらいでは、英語を聴いている時間があまりに短い。1時間は繰り返し聴いてほしいところです。
その際、ただ聴き流すだけではダメ。事前にテキストを読んで、“今話しているのはこういう内容だ”と場面のイメージを頭に浮かべながら何度も聴き返すと、より効率的です」
忙しい毎日のなか、「いつ勉強するか」もポイントに。
「1日のトータルで1時間聴いていればいいので、5分ずつの細切れでも構いません。通勤中や家事の最中に聴くのもおすすめです」
番組は、レコーダーで録音するか、番組ホームページのストリーミングサービス、別売りのCDなどで繰り返し聴くことも可能だ。学生時代に「ながら勉強」を怒られた人も多いだろうが、大人の英会話は「ながらこそが習得への近道」だ。
※女性セブン2019年4月18日号