10年前に乳がんを患い、手術、抗がん剤治療、ホルモン剤治療等を行った本誌・女性セブンの記者(59才・その後、再発はなし)。彼女が、各種治療とともに真剣に取り組み、確信に至ったのが「食生活の見直しで体は必ず変わる」ということ。自らの体験を踏まえつつ、記者が「がんに克つ食事」をレポートします。
がんは「食生活を見直すことで予防できる」と多くの専門家が言う。本誌記者も10年前にがんの告知を受けて、食事をゼロから見直した。といっても特定の療法に挑んだわけではない。ただ日々の食事でがんの原因になるものをなるべく排除し、がんがすみにくい体内環境にしようと試みた。
無理をせず少しずつ実践しただけなのに、自分でも驚くほど体調が変わっていくのがわかった。それから約10年、便秘、冷え症、肩こり、腰痛など、今まで積もりに積もった体の不調も改善され、現在も続けている。
今回、紹介する境野米子さんは、子供の原因不明の病気をきっかけに食事の改善に取り組んだ薬剤師。研究の末にたどり着いた薬は「野草」であった。
──食事と真剣に向き合うようになったきっかけは何ですか?
境野:私は昔、都の衛生研究所で食品添加物や残留農薬などの調査研究をしていました。その中で、世の中に出回っている添加物の一部に、発がん性物質が多種類に含まれていることがわかりました。ところが、がんを誘発する食品だと知っていてもピンとこない。人ごとだと思ってしまう。
「自分は大丈夫」と問題のある食品を、何も考えずに食べていました。そんな頃、最初の子供が血液の病気を持って生まれてきたんです。医師からは「原因不明」「突然変異」と言われました。生まれたばかりで集中治療室に入れられ、母乳をあげることができず、親なのに何もすることができない。この日から原因を自分なりに考え調べて、真剣に食品と向き合うようになったんです。
──まず食品添加物をやめようと?
境野:とにかく子供に安全なものを食べさせようと必死でした。私は残留農薬の研究もしていたので、その危険性をよく知っています。ですので、なるべく野菜も無農薬にして、保存料、防腐剤、甘味料など食品添加物を取らず、おやつのクッキーやキャンディーも自分で作りました。さらに自然豊かな田舎に引っ越して生活環境も変えました。そんな生活の中で出合ったのが「野草」だったのです。