新元号「令和」も発表され、いよいよ迫ってきた皇位継承の時。4月30日に現在の天皇陛下が退位され、5月1日から新天皇が即位する。
◆「剣璽等承継の儀」女性閣僚はOKなのに女性皇族は参列できない
新天皇が最初に臨む儀式である『剣璽等承継の儀』は、「御代がわりで最も重要な儀式」という。神道学者で皇室研究者の高森明勅さんが話す。
「皇位のしるしとして、神聖なものである三種の神器を受け継いだことを公に示す剣璽等承継の儀は、昭和天皇が崩御され、悲しみの中でも3時間半後に行わなければならなかったほど、重要な儀式です」
この儀式に参列できる皇族は、成年男性皇族のみだ。今回なら常陸宮さまと秋篠宮さまの2人で、皇位継承権のない女性皇族は立ち会われない。
「それは、明治時代の旧皇室典範に付属した『登極令』に盛り込まれた『女性皇族の排除』を踏襲しているからです。現代の国民感覚からはずれていると思います」(高森さん)
政府は今回、片山さつき地方創生担当相など、女性閣僚の参列は認めた。儀式の模様が世界中に報じられる際、“男女不平等”と評価されかねないことを避けるための措置のようだ。京都産業大学名誉教授の所功さんは指摘する。
「現在の皇后さま、女性皇族方も、天皇のお務めを一部分担、代行される重要なお立場です。今後、重要な儀式にはお出になられるように検討するべきでしょう」
◆「雅子新皇后」の正式な初お目見えは「即位後朝見の儀」
そうした状況から、5月1日の剣璽等承継の儀には雅子新皇后は参列されない。その姿を見られるのは、同日の「即位後朝見の儀」になりそうだ。その後、5月4日の一般参賀で新両陛下が並ばれる初のお目見えとなる。では、新皇后としての「おことば」はいつか。
「即位後朝見の儀でも一般参賀でも、特別な配慮がない限り、雅子さまのお言葉を聞ける可能性は低いでしょう。10月22日の『即位礼正殿の儀』でも、皇后のお言葉を聞く機会は考えられません。となると、12月の雅子さまのお誕生日までそのタイミングはないかもしれません」(高森さん)
儀式の最中で雅子さまの体調が悪化し、途中退席されるようなことは避けたい。そのため、万全の注意が払われ、式典の前後では皇室行事を簡素化。10月のパレード(祝賀御列の儀)後の「饗宴の儀」も、前回の計7回から、今回は4回に縮小される見込みだ。
「雅子さまのお誕生日のメッセージの分量は年々増えています。ご病気の発表後、短い文章でご自身の体調や愛子さまのことなど身近な話題ばかりだったのが、国内や世界のことなどに言及されるようになりました。メッセージだけを拝見していても、快復されていることがわかります」(高森さん)
※女性セブン2019年4月18日号