かつて日本の芸能界には“破滅型のスター”が数多く存在していた。とりわけ強烈なのが、勝新太郎(享年65)だ。1978年にアヘン所持で逮捕。1990年にもハワイ・ホノルル空港で大麻所持で現行犯逮捕された。
この際の会見では、悪びれもせず、「大麻がパンツの中に勝手に入っていた」と言い放った。すかさず「今後、パンツはどうするんですか?」と質問したのが、芸能リポーターの石川敏男氏である。
「それで『もうパンツは穿かない』という名ゼリフが飛び出したんです。予想外の切り返しで、面食らいました。勝新さんの遊び方はとにかく豪快。大映に給料を現金で貰いにいき、『おう、今日飲みに行くぞ』といって、みんなを連れて飲みに行く。
飲酒運転なんて日常茶飯事だったね。勝さん、“みんな乗ってけ!”って自分で運転して酒飲みに行くんだもん。検問ひっかかっても“俺だよ俺”の一言で、通過してしまう(笑い)。何軒もハシゴして、それでも翌日はいい芝居を見せる。正真正銘の“役者バカ”でした」(石川氏)
晩年も借金を重ねながら豪遊を重ね、返済せぬまま1997年に死去。残された借金は妻の中村玉緒が完済した。
※週刊ポスト2019年4月19日号