国内

改元に伴う「恩赦」、どの程度の罪に適用されるのか 殺人者は?

新元号を発表する菅義偉官房長官(時事通信フォト)

 新元号「令和」が発表され、新しい時代の到来を感じる。今後は、天皇陛下のご退位と、皇太子さまの新天皇ご即位に関連し、重要な儀式・行事が目白押しとなる。改元に伴って、今秋にも「恩赦」が実施される見通しだ。

 恩赦とは、裁判で確定した刑罰を免除させたり、有罪で失った資格を回復させたりする制度。

 皇室の慶弔事に伴う恩赦は1993年の皇太子さまと雅子さまのご結婚以来26年ぶり。昭和から平成への御代がわりでは、1989年2月の「大喪の礼」、1990年11月の「即位礼正殿の儀」に合わせて2回の恩赦を実施した。

「大喪の恩赦」では、有罪判決を受けた経歴が消滅する「大赦」が約2万8600人、有罪確定で失ったり停止されたりした資格を回復する「復権」は約1014万人にのぼった。「即位の恩赦」でも約250万人が復権したとされる。作家で元刑務官の坂本敏夫さんが話す。

「対象者のほとんどは、公職選挙法や道路交通法違反など軽微な犯罪に限られます。殺人や強盗のような事件の受刑者が恩赦の対象になったことはなく、今回もその可能性はないとみられます」

 今回、「袴田事件」で釈放された袴田巌さん(83才)が3月20日、恩赦法に基づき、刑執行の免除を求めて静岡地検に恩赦を出願した。「無罪判決が出るのはまだ先。恩赦の対象になることは考えにくい」(坂本さん)という。

※女性セブン2019年4月18日号

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