普段何気なく使っている日用品。実はこれらの中には、危ない化学物質が含まれるものが少なからずある。
今や、ほぼすべての日用品に何らかの化学物質が入っているといっていいが、売り手が商品の長所や高い効果を強調する一方で、その裏に潜むマイナス面はあまり伝わってこないこともある。
しかし、そうした日用品を長年使っていると、知らず知らずのうちに頭痛や吐き気、肥満に呼吸障害など、さまざまな症状を引き起こす可能性があるのだ。
危険なモノにわざわざお金を払い、健康を損なうのでは本末転倒。現代人にとって、もはや生活の「必需品」といえるからこそ、どんな日用品にどんな危険が潜んでいるのかを、消費者の私たち自身が知ることが大切だ。その対処法とともに紹介する。
◆紙コップやトイレットペーパーで「肥満体質」に
カフェやファストフード店だけでなく、最近はコンビニでもコーヒーを買えるようになり、「紙コップ」の使用頻度も上がっている。だが、この何気ない行動にも、健康を損なうリスクがある。医師でウェルネスクリニック神楽坂院長の賀来怜華さんが話す。
「紙コップは製造過程で、熱い液体を入れても漏れ出さないよう、コップ内側の表面に耐熱・防水コーティング剤が塗布されます。そのコーティング剤は、『オビソゲン』といい、実は有害な化学物質です。
オビソゲンは、脂肪細胞の正常な遺伝子を『肥満遺伝子』に変え、血糖値の調整と糖の代謝を行う『インスリン』の分泌機能を狂わせます。その結果、肥満や糖尿病リスクを高めてしまうのです。実際、糖尿病患者からオビソゲンが検出されるケースは増加しています」
さらにオビソゲンは、ホルモンにも影響を与え、不妊症や月経不順につながる可能性もあるという。知らぬ間に溶け出したオビソゲンを摂ってしまわないよう、紙コップはできるだけ使わず、マグカップで飲むようにしたい。
オビソゲンが含まれるのは紙コップだけではない。缶詰にも含まれる。
「紙コップと同様、缶詰内側に塗られているコーティング剤に含まれています。油に溶けやすいため、特にツナ缶や、昨今大ブームのサバ缶、オイルサーディンなど脂質の多い食品の缶詰は避けるべきです。食べるなら缶詰ではなく、瓶詰めを選ぶ方がよいでしょう」(賀来さん・以下同)
そのほか、意外なところではトイレットペーパーにも注意が必要だ。トイレットペーパーは口にするわけではないのに、どういうことか。
「トイレットペーパーの『香り』と『絵柄』に使われている人工香料や色素もオビソゲンが使われているのです。体に触れた時、皮膚を通じて体内に入りますが、その経路としてもっとも吸収されやすいのが、血管が豊富な粘膜周辺。肛門周辺の粘膜を通じてオビソゲンを吸収する可能性があります。トイレットペーパーを買う時はなるべく、『無地』『無香料』のものを選んで」
※女性セブン2019年4月25日号