国際情報

韓国でクレヨンしんちゃんが「シン・チャング」になっていた

子供たちの人気キャラクターが…(時事通信フォト)

 日本の大衆文化が禁じられていた韓国でも、日本のアニメは昔から人気だった。韓国人のノンフィクション・ライターで『韓国「反日フェイク」の病理学』の著者、崔碩栄氏も少年時代に『鉄腕アトム』や『マジンガーZ』に熱中した世代だ。だが、それらのアニメが「日本のもの」とは知らなかったという。実は、「クレヨンしんちゃん」の主人公が「シン・チャング」に改名させられたりと、韓国化が図られていたからだ。

 * * *
 日本のアニメは比較的早くから韓国で開放され、大人気となったコンテンツだ。1960年代から『黄金バット』、1970年代には『鉄腕アトム』、『マジンガーZ』等が韓国の子供たちの間に旋風を巻き起こした。その人気は今も続いている。かく言う私もアトムやマジンガーZに熱中した世代だ。日本の子供たち同様、韓国の子供たちにとってもこれらのアニメは夢の詰まった憧れの世界だった。ただし、韓国で放映されたこれらのアニメの中からは「日本」という存在がきれいさっぱり消されていた。主人公たちの名前が韓国の名前に置き換えられていたのはもちろんのこと、番組の冒頭と最後に流れる原作者やアニメの制作者たちを紹介する字幕にも、日本人らしき名前は登場しなかった。これらが日本人によって作られたものだということはひた隠しにされていたのだ。

 日本の漫画、アニメとはいってもそれが西洋人に近い名前であれば、それらはそのまま採用されていた。また、例えば米国のアニメであればそのまま米国式の名前で放映されていた。つまり、日本のアニメの中で「日本式の名前」が登場した時だけ弾かれ、韓国人名への「改名」が強いられたのだ。

 日本の名前がそのまま使われていたのは、日本の地名、時代背景が登場する漫画(『バガボンド』『美味しんぼ』等)や年齢制限がある漫画、ケーブルテレビで放送されるアニメだけで、子供向けの漫画や、誰もが目にすることのできる地上波で日本式の名前の主人公に出会うことはまずなかった。まるで子供たちが、日本式の名前に少しでも馴染むことを恐れているかのようだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
ジャンボな夢を叶えた西郷真央(時事通信フォト)
【米メジャー大会制覇】女子ゴルフ・西郷真央“イップス”に苦しんだ絶不調期を救った「師匠・ジャンボ尾崎の言葉」
週刊ポスト
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
前回のヒジ手術の時と全く異なる事情とは(時事通信フォト)
大谷翔平、ドジャース先発陣故障者続出で急かされる「二刀流復活」への懸念 投手としてじっくり調整する機会を喪失、打撃への影響を危ぶむ声も
週刊ポスト
単独公務が増えている愛子さま(2025年5月、東京・新宿区。撮影/JMPA)
【雅子さまの背中を追いかけて単独公務が増加中】愛子さまが万博訪問“詳細な日程の公開”は異例 集客につなげたい主催者側の思惑か
女性セブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン
連日お泊まりが報じられた赤西仁と広瀬アリス
《広瀬アリスと交際発覚》赤西仁の隠さないデートに“今は彼に夢中” 交際後にカップルで匂わせ投稿か
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《離婚するかも…と田中圭は憔悴した様子》永野芽郁との不倫疑惑に元タレント妻は“もう限界”で堪忍袋の緒が切れた
NEWSポストセブン
成田市のアパートからアマンダさんの痛いが発見された(本人インスタグラムより)
《“日本愛”投稿した翌日に…》ブラジル人女性(30)が成田空港近くのアパートで遺体で発見、近隣住民が目撃していた“度重なる警察沙汰”「よくパトカーが来ていた」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
NEWSポストセブン