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「令和」揮毫した美人書家「日本の文化から見出し嬉しい」

「人文字シリーズ」では新境地を切り拓く川尾朋子さん

 美人書家として知られる川尾朋子さん(41)が、本誌・週刊ポストで新元号の「令和」を揮毫した。川尾さんが、書に込めた思いを語ってくれた。

 * * *
 これまでの元号は中国の古典に由来してきましたが、今回の「令和」は万葉集に求めたということで驚きました。同時に、日本の年号を日本人の文化のなかから見出すということがとても嬉しかったです。

 揮毫にあたっては、「令」の1画目から2画目に筆が紙に着く前に、空中でどう動くかという点を意識して、余白、間をイメージできればと考えました。

 万葉集の序の部分は、「初春の佳き月、風が和み、梅の花が美しく咲いている」という美しい自然の情景を描いたものです。多くの人が自然に対して敬意を払う時代になればと願い、心を込めて書きました。

【プロフィール】かわお・ともこ/1977年生まれ、兵庫県出身。6歳から書を学ぶ。2004年に書家・祥洲氏に師事。奥深い書の世界に魅了される。空中での見えない筆の軌跡に着目した「呼応」シリーズほか、近年では自身が文字の一部となって表現する「人文字シリーズ」で書の新たな境地を切り拓く。京都在住。

1分超の瞑想後、揮毫する前に筆に祈りを捧げる

◆撮影/内海裕之、取材・文/小野雅彦

※週刊ポスト2019年4月19日号

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