スポーツ

ミホノブルボンの活躍、関西の厩舎に坂路調教を普及させた

名馬・ミホノブルボンを振り返る

 平成競馬の“西高東低”は今週行なわれる皐月賞も同様。千葉県の中山競馬場で行なわれている(平成23年は東京競馬場)にもかかわらず、関西馬が21勝と圧倒している。平成4年の皐月賞は、なぜそれだけの差がついたのかを象徴するような馬が終始先頭を走り抜いて勝った。競馬歴40年のライター・東田和美氏が、坂路でのトレーニングによって強くなった競走馬についてお届けする。

 * * *
 ミホノブルボンの父マグニテュードは、父が大種牡馬ミルリーフ、母が英オークス馬だったことから輸入された。桜花賞馬エルプスや1200mの高松宮記念を勝ったマサラッキなどを送り出したが、ランキングで上位に入ったことはない地味な種牡馬だった。母カツミエコーも、地方競馬の下級条件馬にすぎず、取引価格も1000万円に満たなかった。

 しかし、この年の皐月賞を迎えるまで4戦4勝。その強さをつくりあげたのが、栗東トレーニングセンターの坂路馬場だった。

 皐月賞は昭和53年から62年まで関東馬が10連勝。ダービーも58年から関東馬が8連勝、上位に来る馬も関東馬が圧倒的に多かった。その原因として考えられていたのが競馬場の「坂」だった──東京競馬場と中山競馬場はゴール前の直線に「坂」がある、(かつては調教も競馬場で行なわれていたため)関東馬は自然と鍛えられていたのではないか、直線に坂のない阪神競馬場(当時)や京都競馬場ではそれができない──そして昭和60年に坂路馬場ができた。

 しかし、関西の調教師がこぞって坂路を利用しだしたわけではなかった。いち早く目を付けたのが、ミホノブルボンを管理する戸山為夫調教師。トレーニングによって、成績を挙げていこうという考えだったが、強い調教をすると故障の頻度が上がるのがジレンマだった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
“鉄ヲタ”で知られる藤井
《関西将棋会館が高槻市に移転》藤井聡太七冠、JR高槻駅“きた西口”の新愛称お披露目式典に登場 駅長帽姿でにっこり、にじみ出る“鉄道愛”
女性セブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン