「乳房と股間の間には女性特有の性感帯がある。医学的にはこれを“青函連絡船”という」
「女性の乳房は揉んでから吸わないといけない。逆だと“すったもんだ”する」
こんなエロ医学漫談で一斉を風靡したケーシー高峰さんが肺気腫のため85歳で亡くなった。
白衣姿で「医療」をテーマにテレビ番組や演芸場を沸かせたケーシーさんは、私生活では病魔との付き合いが長かった。
2003年には腰部脊柱管狭窄症を発症、2005年には舌がんの手術を受けた。昨年4月頃には、肺気腫と診断され、酸素ボンベが欠かせない生活になったという。所属事務所社長で、40年以上の付き合いがあった西村秀樹氏がいう。
「それでも本人は“オファーがあればボンベを付けてどこでも行く”と言っていた。ちょうどその頃、桂歌丸師匠(昨年7月死去)がボンベを付けて高座に上がっていたので“俺もできる”とその気になっていたんです。実際、9月の茨城県結城市の舞台では、15分の予定なのに35分も喋り続けました。ただ、一方で体重は20キロ以上落ちていた。秋以降は、仕事をキャンセルするしかありませんでした。しかし、こんなに急に亡くなってしまうとは……」
晩年は正月の演芸特番などで見かけるくらいになってしまっていたが、その洒脱な芸風は、故・立川談志やビートたけしなど、超一流の芸人たちからも高く評価されていた。
ひっそり旅立ってしまうなんて、“そりゃあないぜセニョリータ”。
※週刊ポスト2019年4月26日号