失言を連発し、辞任した桜田義孝前五輪担当相だが、辞任直後、注目されたのが同氏の公式HPにある漫画『桜田よしたか物語』だ。農家の家に生まれた桜田氏が、若い頃は柔道部に入るも骨折をするなどしたため、柔道の道をあきらめたことや受験に失敗するなどの挫折が描かれる。
大工の仕事をしながら明治大学の夜間に通い、25歳で自身の建設会社を立ち上げ、仕事が順調に回るようになると成功者の家を手掛けるようになる。「自分もこの人たちと付き合うにふさわしい 大きな人間にならなくてはと思うようになりました もっと上のステージに行こう…!」と、柏市議選に出馬。以後、県議会選挙にも当選し、ついに衆議院選挙も当選! 以後、4回連続当選し、「平成21年8月 衆議院選挙落選後、政権奪還に向け奮闘中」とあるため、これは雌伏の時を過ごしていた時に描かれたものだろう。
この漫画自体は10年も前のものと見られるが、ネットでは大臣就任以降の失言を連発させた『「桜田よしたか物語』が読みたい、という声もあった。また、「沈みゆく日本を救うためこれからも全力で戦います!!」という最後の決意の一言も失言では、との指摘もあった。上記の「もっと上のステージに」については、「ただ成り上がりたいだけだったのか」という声も。
同漫画の存在について2月14日に「桜田義孝の漫画があるぞwwwwww 当然自身の公式サイトに、だがなww」とツイッターに投稿していたネットニュース編集者の中川淳一郎氏は「桜田よしたか物語」をこう読む。
「水泳選手に対する『がっかり』発言が2月にありましたが、その直後、桜田氏がどんな人物なのか気になったので、公式HPを見たところ、この漫画を発見しました。読めば読むほど味わい深いというか、桜田氏のことは『悪い人じゃないんだけどな……』と思える不思議な漫画です。
何しろ桜田氏は素直。親に止められたから柔道部を辞めるし、大学進学はしないでいいと思うも親から『一生悔い残すぞ』と言われて2浪の末に明治大学の夜間学部に入る。衆議院選挙出馬については、まだ時期尚早ではないかと考えるも、先輩たちが『若い桜田に任せよう』と推薦に回ってくれたため、出馬を決意したことなど、周囲の助言をキチンと聞く人物で可愛げがあるのです」
桜田氏はサイバーセキュリティの担当相でもあったが、USBのことを「使う場合は穴に入れるらしいんですけど、細かいことは、よくわかりません」と発言したり、自分ではPCを使わないと発言したりする一方、政治家のサイトとしては珍しく漫画を載せる先進性には驚きの声もあがった。だが、自身の理念を広く伝えたいのであれば、文字をコピペ可能にするのが合理的なのだが、桜田氏のページはブログ以外コピペ不可となっている。
そうはいっても、ある程度ユーザーフレンドリーとなっており、『桜田よしたか物語』のバナーには「PDFファイル 約10MB」との注意書きがある。バナーを見るだけで、自分の今置かれたネット環境でこの漫画を読めるかどうかが一目で分わかる作り込みになっている。