大手コンビニやスーパーが展開する「流通系」と呼ばれる電子マネーや、QRコードを利用した決済アプリには、ポイント還元やクーポンの特典が、必ずといっていいほどある。つまり、現金払いよりもお得に買い物ができる。
特に、QRコード決済アプリを運営する各社は、利用者拡大のために、大規模なポイント還元や割引クーポン贈呈キャンペーンを定期的に打ち出している。
PayPayは期間限定(5月31日まで)で『第2弾100億円キャンペーン』を実施中。条件付きながらも、QRコードで決済すると最大20%のポイントが加算。5000円の買い物で1000円分お得になる計算だ。
楽天ペイの『スタートボーナスチャンス』は、決済アプリのサービスを初めて使った人に向けたキャンペーン。こちらも条件を満たせば1000ポイント(1000円相当)が獲得できる。
こうした“大盤振る舞い”の裏側には、東京オリンピックを来年に控えた利用者の増加を見越して、各社がさまざまな方法で「囲い込み」を行いたい事情がある。
さらに、10月から実施される8%から10%への消費税率アップも関係する。
政府は増税後の景気対策として、10月から9か月間、キャッシュレス決済で買い物をした時に、補助金で最大5%のポイント還元をする政策を打ち出している。
オリンピックと増税、2つのタイミングが重なって盛り上がりを見せる昨今のキャッシュレス決済は、経済ジャーナリストの岩田昭男さんいわく、「ポイントや特典をかき集める『魔法の熊手』状態」だという。
日頃、情報をマメにチェックできる人は、そのサービスが自分にとって本当に有益かどうかを考えた上で、ポイントやキャンペーンに着目して選ぶのも一策だ。
※女性セブン2019年5月9・16日号