芸能

テレ東ドラマ『きのう何食べた?』 業界内では期待の声多数

熱い注目を集めるドラマ『きのう何食べた?』(番組公式HPより)

 4月から始まった平成最後の春ドラマの中で、もっとも熱い注目を集めているのは、人気漫画原作でゲイカップルの日常を描いた『きのう何食べた?』(テレビ東京系)だ。深夜帯の放送で初回視聴率こそ3.5%だが、見逃し配信の再生数は、歴代トップの120万再生を記録し、業界内からは期待の声しか聞こえない。ドラマウオッチを続けるノンフィクション作家の山下柚実さんはこう話す。

「W主演の西島秀俊(48才)、内野聖陽(50才)とも演技が光っています。特に内野は指先まで完全に役のケンジになりきっています。実はきれいなことにこのドラマで気づかされた“奇跡のアラシックス”田中美佐子(59才)の役も、原作と違うように感じていましたが、ぴったりでした」

 辛口コラムニストの今井舞さんも高評価。

「漫画をしっかりと実写化していて好感が持てます。気になるのは西島の料理シーン。インタビューでは『千切りの練習をしている』と言っているけれど、料理中の手元は別カットのことが多い。残念」

 西島は役作りのための体重の増減などはお手の物だが、料理だけは別物か。ゲイを演じるには男らしさが過ぎるのかもしれない。

 高橋一生(38才)、斎藤工(37才)、滝藤賢一(42才)、旬の男性がトリプル主演するのは『東京独身男子』(テレビ朝日系・土曜23時15分)。初回視聴率5.7%で、同枠としては『おっさんずラブ』最終回と並ぶ“ロケットスタート”を見せた。

 20~30代女子を中心に早くも熱狂的ファンがいるというが、山下さんはピシャリ。

「歯科医はチャラくて弁護士はナルシスト、アナリストは合理的と、肩書に合わせたキャラ設定がバブルの頃のよう。せっかく男性の4人に1人が独身という実態に目をつけ、いい役者が揃っているのに。私は見続けられません」

 近年、ドラマ好きにとって至福の時とされるのは「日曜夜」だ。20時の大河、21時のTBS日曜劇場、そして22時30分の日テレと、人気ドラマ枠が続くからだ。

 好スタートを切った『集団左遷!!』(TBS系・日曜21時)で福山雅治(50才)は、かっこ悪いほど普通のサラリーマンを演じている。

「福山起用で、絶対に失敗は許されないという重圧があり、攻めた脚本が作りにくいらしく、スタンダードにまとまってしまっている印象。ただ、福山の“普通”ぶりは圧巻。こんなにイケメン臭を消せるとは…。役作りでわざと太ったようですね。今後の展開に期待」(テレビ誌記者)

 マンションを舞台にしたミステリー『あなたの番です』(日本テレビ系・日曜22時30分)は、25年ぶりとなる2クールドラマで、4月から約半年間放送される。

「初回視聴率は8.3%と2クール連続にしてはかなり厳しい数字。この枠は『今日から俺は!!』『3年A組』(日本テレビ系)でいい流れを作ってきたのに、このままではスポンサーが逃げ出しかねません。ストーリーも変更しづらく、期間短縮もありそう」(日本テレビ関係者)

 こうしたラインナップがしのぎを削る中、今井さんが推すのは『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日系・平日12時30分)だ。2017年のスマッシュヒット『やすらぎの郷』の続編で、脚本は倉本聰、主演は石坂浩二(77才)だ。

「老人ならではの認知症などの会話が、悲惨にならずに日常の出来事として処理されていて、そこがリアル。ツッコミ目線も鋭く、加賀まりこ(75才)や浅丘ルリ子(78才)の化粧が濃いことが笑いになったりしている。若い人が描く老人のステレオタイプ描写とは全然違うんですよ」

 今見ている人も見ていない人もぜひ参考に!

※女性セブン2019年5月9・16日号

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン