製作終了から31年。男たちを魅了した「日活ロマンポルノ」の女優たちはスクリーンから去った後、どんな人生を歩んだのか──。
「一昨年の7月、急性大動脈解離を発症したの。その前から血圧が200くらいあって、おかしいなと思っていた。医者から『2年間は安静にしてください』と言われたので、今はゆっくり家で過ごしているわ」
1972年、ドラマ『太陽にほえろ!』の1話でデビューした鹿沼絵里は、1978年の『時には娼婦のように』を皮切りに日活ロマンポルノに欠かせない女優になる。1982年には、『天使のはらわた 名美』などで共演した5歳年下の古尾谷雅人と結婚。1男1女をもうけた。
古尾谷はドラマ『金田一少年の事件簿』などのヒット作に出演するなど順風満帆のように見えたが、2003年に自殺。その後、鹿沼は朝から介護の仕事を行ない、夜はスナックを切り盛り。働き詰めの生活を送るようになる。
「住宅ローンは生命保険で完済できたけど、夫の個人事務所には借金が残った。それに、2004年から2010年まで神楽坂で『ルパン・反省』というスナックを経営したことで負債もできた。先月、自己破産の手続きをしたわ。借金は3000万円くらい。すぐにでも返したいんだけど」
昨年、夫の16回忌を迎える前日に息子の雅が「古尾谷雅人」の芸名で再出発した。
「もともと、高藤疾土の名前で俳優をしていたんだけど、最近は違う仕事をしていた。一昨年、私が『爆報!THEフライデー』(TBS系)に取材される時、マネージャー代わりに連れて行ったの。そしたら、ディレクターに『良い声をしているね』と褒められてね」