世界24か国からなる国際決済銀行(BIS)の調査によれば、日本人1人当たりが持つクレジットカードや電子マネーなどの枚数は7.7枚にもなる。ところが、そこまで多様な決済手段があるにもかかわらず、日本はキャッシュレス後進国だ。
「たくさんありすぎてどれがいいのかわからない」という声をよく聞くが、何を基準に自分にふさわしい決済法を選べばいいのか見ていこう。
これまでの決済は、電子マネーや、非接触通信方式のICチップを内蔵したスマホの「タッチ式」が主流だった。ところが最近は「QRコード式」を導入している店が増えている。
今年2月には長崎市の中心街約250店舗で数社のQRコード決済が使えるようになった。また3月には金沢市(石川)の近江町市場でも、約130店がQRコード式のPayPayを導入。首都圏のみならず、全国的な広がりを見せている。
多くの店がQRコード式を導入する理由は、高価な読み取り機を必要とせず、コードが印刷された紙一枚で済むから。つまり、中小の個人経営店でもコストをかけずに導入することができるからだ。消費者にとっても、使える店が増えるのはメリットとなる。スマホをすでに活用している人であれば、QRコード式を試すのもいいだろう。
一方、スマホの扱いに慣れていない人にとっても「タッチ式」は直感的で使いやすい。特に以前からある電子マネーならば、スマホはいらない。大手コンビニやスーパー(セブン-イレブンの「nanaco」や、イオン系列の「WAON」など)が、独自の電子マネーを展開している。いつも利用する店が決まっている場合は、これらを活用するのがいいだろう。
【QRコード軍】
メリット:QRコードが印刷された紙一枚で決済できる。
デメリット:決済アプリを起動してQRコードを撮る、またはQRコードを表示させるまでに時間がかかる。
【タッチ軍】
メリット:ICカードや端末をかざすだけで、一瞬で決済できる。
デメリット:Androidのスマホなどは、機種変更時、情報の移行に手間がかかる。
※女性セブン2019年5月9・16日号