ハリウッドまで魅了した中国の女優がいよいよ再始動するようである。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。
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巨額の脱税にからみ、芸能活動から遠ざかって久しい中国の女優・范冰冰(ファン・ビンビン)。ハリウッド映画「X-MENシリーズ」にも出演し、国際派女優として飛ぶ鳥を落とす勢いであった彼女が、突然消息を絶ったのはおよそ一年前である。
約半年後には脱税が明らかになり、約146億円という罰金が命じられたことが大きな話題となった。
春節には薄いメイクで登場し、新年のあいさつをしたことが日本のメディアでも紹介されたが、彼女の復帰メニューは順調とは言い難いようだ。
そんななか『中国新聞』は4月25日の記事で、〈范冰冰の控えめなカムバック まずはフェイスパック販促ビジネスからスタート〉と題した記事を掲載した。
記事では、やはり薄いメイクの范が、きれいな肌の写真とともに登場。その上には「お待たせしました これが范冰冰の秘密です」の文字がある。だが、タイトルにもあるようにこのパックを製造している化粧品会社は、范が大株主なのである。
彼女の復帰に関しては虚々実々情報が飛び交っていて確定的なことは言えないが、いきなり女優としてのカムバックにはハードルが高いと、自分のブランドの販促からのゆっくりやっていこうということか。