「年金75歳受給開始」が検討されるなど、これから待ち受ける「年金大減額」により、一人ひとりの受給者が“賢いもらい方”をする重要性は増している。問題は、年金の各種申請書や届け出は複雑で「記入漏れ」や「申請ミス」が起きがちなことだ。ここでは、いわゆる「消えた年金」を取り戻すための書類の書き方を解説しよう。
未だ2000万件が宙に浮いたままとされる「消えた年金」問題。まずは、自分の記録の確認から始める。“年金博士”こと社会保険労務士の北村庄吾氏が語る。
「59歳で送られてくる『ねんきん定期便』か、60歳以上の場合は『ねんきんネット』の『加入記録』で確認できます。会社に勤めていたはずの期間に空白期間があれば、年金記録が消えている可能性があります。その場合、『年金記録訂正請求書兼年金記録に係る確認調査申立書』を提出して調査してもらいます」
同時に、空白期間の勤務を証明する資料を添付するが、転職を重ねていたり、すでに会社が倒産しているなど難しいケースもある。
「申立書には当時の状況を自由に記述する『請求内容』欄(下記【ポイント2】)があり、同僚・上司の名前や取引先の企業名など、思い出せる範囲で何でも書く」
「消えた年金」は時効が停止されている。記録が見つかり訂正されれば、それまでの未支給分を一括で取り戻すことが可能だ。
図解でも紹介している通り、ポイントは以下の4点となる。