電子マネーにQRコード…さまざまなサービスが登場しているキャッシュレス決済だが、なかなか始められないという人も。
キャッシュレス導入をためらう理由に、クレジットカード決済を想像する人もいる。店員にカードを預けなければならず、何をされるかわからない。デパートや名の知れた大型店ならともかく、中小の個人経営店では、カウンターの裏でカード情報が抜き取られたりしないか不安だ、というのだ。
しかし、電子マネーやスマホ決済では、端末やカードを店員に預けることは基本的にない。読み取り機にかざすだけで会計を済ませられる。
「現金生活とキャッシュレス生活は、たとえるなら『車で砂利道を走るのとアスファルトを走る』くらい違います」(経済ジャーナリストの岩田昭男さん・以下同)
キャッシュレス決済を体験すると、小銭いらずがラクなことを実感できる。
◆「家計」「終活」に…アイディアで生まれる活用法
前出の岩田さんは、キャッシュレス生活に関する講義などを行っているが、キャッシュレスを取り入れたばかりの「初心者」の方が、結果的に普段の暮らしに生かしているケースが多いことを実感しているという。
以下、2人のケースを紹介しよう。
【ケース1】生活費の「袋分け」に電子マネーを活用
「以前は、夫から預かった給与を、生活費別に袋分けしていました。月の食費○万円はこの封筒、光熱費はこの封筒…というように。これをWAONの電子マネーに振り分けてみました。
現金の『袋分け時代』は、お釣りで封筒は重くなるし、残額を数えるのが大変でした。でも、電子マネーにしたら数枚のカードで管理できるので残額の計算をする必要がなくなり、すごくラクになりました」(A子さん・35才)
【ケース2】自分の「終活」にキャッシュレスを取り入れる
「自分の死後に誰にも迷惑がかからないよう、クレジットカードをすべて解約しました。すると大好きな通販のショッピングを、いちいち代引きで払わなければならず、手数料もかかってしまい、とても不便でした。
そこで、利用するたびに銀行口座の残高から引き落とせる電子マネー(ブランドデビットカード)にしたところ、代引きの手数料もかからず快適にショッピングが楽しめるようになりました。クレジットカードのような『後払い』ではないので、負債で迷惑をかけることもありません」(Mさん・70才)
自分の生活スタイルに合わせてキャッシュレス決済のメリットを取り入れたい。