これから待ち受ける「年金大減額」により、一人ひとりの受給者が“賢いもらい方”をする重要性は増している。問題は、年金の各種申請書や届け出は複雑で「記入漏れ」や「申請ミス」が起きがちなことだ。ここでは、一般的に妻の年金が増える「振替加算」を受け取るための書類の書き方を解説しよう。
妻が65歳になると加給年金は支給されなくなるが、今度は妻の年金に「振替加算」が上乗せされる。
加算額は妻の年齢が高いほど多く、現在75歳の妻なら年間約12万円、65歳なら同6万円となる。
振替加算は「夫婦共に年金受給者」という条件があるため、夫より先に年金を受給している“年上妻”のケースは注意が必要だ。“年金博士”こと社会保険労務士の北村庄吾氏が語る。
「夫が65歳になり年金暮らしが始まった時、年上妻の場合は妻自身が年金事務所で『加算開始事由該当届』を提出して手続きする必要があります。何年も前から年金を受給していると、振替加算受給のために“もう一度手続きをする”ことを失念してしまい、受給漏れが発生しがちです。
振替加算がきちんともらえているかは、毎年6月に妻に送られてくる『年金額改定通知書』で〈振替加算額〉という項目が記載されているかで確認しましょう。加給年金同様、過去5年分が取り戻せます」
●振替加算申請に必要な書類
・受給権者(妻)の戸籍抄本または戸籍謄本(記載事項証明書)
・世帯全員の住民票の写し (続柄・筆頭者が記載されているもの)
・受給権者の所得証明書、非課税証明書のどちらかひとつ
※週刊ポスト2019年5月3・10日号