「私たちがスーパーや青果店などで買うフルーツは、熟す前に早採りされたもの。フルーツは本来、熟したものがいちばんおいしく、栄養価も高いのですが、それではすぐに傷んで売れなくなるので、こういったシステムが取られているのです」(食品ジャーナリスト・手島奈緒さん・以下同)。
つまり私たちは普段、最もおいしい状態のフルーツを食べていないことになる。
「フルーツ本来の味を楽しめるのが果物狩りの醍醐味。もぎたての香りまで堪能できるのは果樹園だけです」
果樹を傷つけず、もいだら全部食べるなどのマナーを守り、虫除けスプレーや飲み物を携帯して“狩り”に挑もう。ここでは東西のイチゴ狩りスポットを紹介する。
◆東京ストロベリーパーク(神奈川県)
東京ストロベリーパークは、横浜火力発電所内の施設を活用し、2018年4月にオープンしたいちごのテーマパークだ。
一年中いつでもいちご狩りができるだけでなく、「スタジオスイッチ」でクッキー作りを教わったり、「イチゴラボ」でパフェを味わえたり、ビュッフェレストラン「パークサイドキッチン」でイタリア料理などが楽しめるのも魅力。
BBHいちごパフェ(870円)、めっちゃいちごパフェ(500円)、いちご飴(150円)などのスイーツもイチゴラボで味わえる。
敷地内には芝生の広場や散策のできる丘もあるので、一日中遊べると、家族連れを中心に人気が高いスポットだ。
「電力会社のノウハウを生かし、遮光カーテンと空調付きのオール電化ハウスを設置。一年中いちごに適した気温を維持しています。約3000平方メートルのハウス内では、約1万8000株のいちごが栽培されており、常に2~6品種が摘み取れます」(館長・武藤元さん)
いちごは腰の高さの台の上で栽培されている上、通路を広くとっているため、ハウス内をベビーカーや車いすで通れるのもうれしい。
「ベリーグッドショップ」ではここでしか買えない限定グッズもあるので、帰りにはぜひ立ち寄りたい。
【DATA】
・住所:神奈川県横浜市鶴見区大黒町11-1
・営業時間:11~16時/土日祝10~18時
・定休日:水曜日(2019年5月1日は営業。※いちご狩りを除く)
・料金:1~6月=2000円(4才~小学生1500円)・持ち帰りカップ(約300g)800円。7~・12月=2980円(4才~小学生2480円)・持ち帰りカップ1400円。完全予約制。
◆アクアイグニス「TSUJIGUCHI FARM」(三重県)
パティシエとして有名な辻口博啓さんが監修するいちご園で、40分間食べ放題のいちご狩りが楽しめる。
農薬を必要最小限に抑えた減農薬栽培のいちごは全部で8種類。中でもおすすめなのが、三重県のオリジナル品種「かおり野」だ。名前の通り、上品な甘い香りが特徴で、酸味控えめのさっぱりとした甘さがある。
ほかにも、桃の香りがする「桃薫」や7粒で一日分のビタミンCが摂れる「おいCベリー」をはじめ、「もういっこ」、「紅ほっぺ」、「章姫」、「よつぼし」などがあり、食べ比べも楽しめる。
施設内には辻口さんが監修したケーキが食べられるカフェをはじめ、石窯パンが人気の店や、イタリアンのシェフ奥田政行さんや和食の料理人・笠原将弘さん監修のレストランもあり、いちごと共に美食も堪能できる。
【DATA】
・住所:三重県三重郡菰野町菰野4800-1
・営業時間:10~17時(受付16時まで)
・休み:シーズン中無休
・料金:12月1日~5月6日=2100円(子供1700円)、5月7~31日=1800円(子供1500円)。
撮影/浅野剛、WEST
※女性セブン2019年5月9・16日号