令和の時代に入ってから待ち受ける「年金大減額」は「受給開始年齢を75歳に引き上げ」など様々なことが予想されるが、一人ひとりの受給者が“賢いもらい方”をする重要性は増している。問題は、年金の各種申請書や届け出は複雑で「記入漏れ」や「申請ミス」が起きがちなことだ。ここでは、年金を増やすための制度を使うための手続きを紹介しよう。
国民年金は40年間の加入で満額受給(月額約6万5000円)となるが、条件を満たしていない受給者は多い。定年後に「任意加入」制度を利用し、あえて不足分の保険料を支払うことで、生涯受給額では得するケースが出てくる。
「第1号被保険者」は、保険料に毎月400円を追加して納める「付加年金」が選択肢になる。上乗せされる年額は「200円×付加保険料納付月数」である。“年金博士”こと社会保険労務士の北村庄吾氏が語る。
「20年間納めた場合、総額9万6000円の保険料に対して、年間4万8000円の年金が生涯支給される。わずか2年で元が取れるので非常に得な制度です」
この2つの“得する年金”は、いずれも「国民年金被保険者関係届書」という書類を出して手続きを進める。
制度を知らなかったことによる「もらい損ね」も、「申請ミス」「記入漏れ」も、役所から教えてはくれない。正しい知識で、自ら動くことが、「人生100年時代」の“年金戦略”だ。
※週刊ポスト2019年5月3・10日号