人手不足は工事の量や質の低下・劣化を生み、建設会社にとっては頭痛のたね。建設職人の高齢化や若年層の不足、リーマンショックやアベノミクスで人手が不足してきた経緯を考えると、オリンピックは要素の一つに過ぎず、建設費の高止まりの大きな要因となり、住宅やオフィスの建設、大規模修繕工事などに今後も大きな影響を与え続ける見込みだ。
こうしたことは業界の構造的問題であるため、大手ハウスメーカーの工事現場であっても確率的に発生しており、どこのハウスメーカーなら安全・安心だとは言いきれないのが実情だ。
新築工事現場には役所の中間検査や完了検査も行われているが、こうした役所の検査は多分に形式的であり、一般に望まれるような、工事の不手際を見抜くようなチェックは期待しないほうがいいだろう。
欠陥住宅をつかむリスクを回避するには、自ら雇ったホームインスペクター(住宅診断士)や建築士などの専門家に、建設工事の節目節目でチェックしてもらうしかない。
多少のコストをかけてでも、設計図通りの建物が間違いなく出来上がることによる欠陥住宅の排除、建物の寿命が長期化することといった安心を買うことをお勧めする。第三者が現場に介入することで工事現場に緊張感が生まれ、忘れや不手際が起きにくくなるといった作用も働く。
ホームインスペクター(住宅診断士)や建築士に依頼する場合は、彼らの実績をチェックしたい。建築の世界は木造・RC(鉄筋コンクリート造)など構造によって専門分野が分かれている。依頼する建物の構造に強いか、そしてその実績を確認したいところだ。