訃報を聞いてショックだった…そんな著名人は誰だろうか? 近年亡くなった“あの人”に、死のサインはあったのだろうか…?
家族が献身的に健康管理をしたのが元TBSアナウンサーの山本文郎さん(享年79・2014年逝去)のケースだ。
前妻に先立たれて独り身だった山本さんと2008年に結婚した妻の由美子さんは、山本さんの健康管理を最優先した。
由美子さんが、山本さんに気づかれないように毎朝の日課としたのが「便のにおいチェック」だ。
「彼は仕事へ行く前に毎朝トイレへ行くのですが、そのあとに必ず私が入るようにしていました。便やおしっこのにおいを嗅いでいたんです。チェックのため、トイレに芳香剤は置きませんでした。毎日嗅いでいると、『今日は下痢っぽいな』とか、『甘いにおいがするから食事を気をつけよう』とか、体調のよし悪しがわかるんですよ。
自動で水が流れる機能もオフにしていたのですが、おかげで山本自身が、尿がピンクがかっていることに気づいたことがあったんです。泌尿器科を受診させたら、超初期の膀胱がんが見つかって無事に処置できました」(由美子さん)
しかし、何事も完璧とはいかないのが病気の怖いところだ。2014年2月に、健康に過ごしていた山本さんが突然、体調不良を申し出た。
「『胸が痛い、背中が痛い』と訴えたんです。急いでかかりつけの病院で受診すると、『肺胞出血』と診断され、即入院となりました。検診では、肺の異常を言われたことは一度もなかったのでショックでした」(由美子さん)
次々に訪れる見舞い客にも気丈に振る舞っていた山本さんだが、由美子さんとふたりきりになると「苦しい」と本音を漏らした。そして、入院から5日後に息を引き取った。
「山本と結婚した時、私には息子が2人いました。山本は『新しい家族のために働くぞ』と、不摂生を改めて、家族と過ごす1分1秒を大事にしてくれました。大切な家族を思うからこそ、健康に気を使うようになるんです」(由美子さん)
※女性セブン2019年5月9・16日号