大相撲の横綱・白鵬(34)が4月中旬、モンゴル国籍からの離脱を同国政府に申請していると報じられたが、早くも白鵬の母国であるモンゴルでは、市民らからはその選択を尊重する声が聞かれる一方で、「心は死ぬまでモンゴル人でいてほしい」などと残念がるファンもいたという。AP通信が報じた。
白鵬は国籍離脱報道について報道各社に「こういう形で早々にニュースになったことに、ちょっとびっくりしている」と驚きも口にしつつ、「(日本・モンゴルの)両国のものもありますから。あとは結果を待つだけだと思います。私の口から言えるのはこれくらい」と話すにとどまった。
モンゴルの首都ウランバートルでは「(白鵬の)父親が生きていれば、モンゴル国籍離脱という選択はできなかっただろう。将来親方になるなら、モンゴル出身の若者を受け入れ、強い横綱に育ててほしい」と期待を示す市民もいた。
白鵬の父、ジジド・ムンフバト氏(昨年4月死去)はモンゴル相撲の元横綱で、国民的英雄。
白鵬のモンゴル国籍離脱の申請がムンフバト氏の死去からちょうど1年経過した時期だった。モンゴルではムンフバト氏が白鵬の日本国籍取得に反対していたとの見方が根強かっただけに、「偉大なる英雄」の息子で、日本の大相撲界の最高の横綱としていまや父をもしのぐほどの英雄といっても過言ではない白鵬の同国籍離脱申請報道については、市民らの間では複雑な感情が入り混じってしまうようだ。