『モンデール スマートネック』は、電気を使って筋肉を刺激するEMS機能とヒーター機能で、首まわりを温めながらケアするリラクセーション機器だ。この商品の最大の特徴は、声で操作できること。商品化までにはさまざまな課題が山積されていた──。
日頃、スマホやデスクワークで長時間同じ姿勢を続けると首元が疲れるという人も多いだろう。そんな首のコリをケアしてくれる商品が登場した。
開発したのは、美容・健康商品を中心にリラクセーションアイテムなどを販売している「ヴァルテックス」。同社は2010年、「モンデール」シリーズとして、頭や手、目元など疲れがたまりやすい部位にアプローチするアイテムを商品化してきた。そのシリーズから新たに登場したのが、『モンデール スマートネック』(オープン価格・実勢価格約1万3500円)だ。
『モンデール スマートネック』は、電気を使って筋肉を刺激するEMS機能とヒーター機能を搭載しており、低刺激で筋肉に優しくアプローチし、首まわりの緊張を和らげてくれる。さらに、リラクセーション機器では珍しく音声操作機能が搭載されている。しかし商品化にあたっては大きな課題が山積されていたという。
昨年11月のこと、開発担当者が中国へ出張に行った際、打ち合わせの中で、音声に反応するチップがあることを知った。そこで、開発担当者はその音声チップを何か新しい機能に使えないか? と考えていた。ちょうどその頃、美顔器などのEMS商品を扱っているメーカーから、首にかけてマッサージする商品が登場したという情報を入手。実物を見ると、本体の横のボタンから操作できるようになっていたが、首に装着すると背面の液晶画面が見えず、動作状況がわかりにくいことに気づいたと同時に、ひらめいた。
「この本体に音声チップを活用して、声で操作できないだろうか──」。すぐに開発がスタートした。
当初は中国製のチップを使っていたため、中国語しか認識できなかった。そこでまずはチップを日本語対応に組み替えようとした。しかし、ことはそう簡単な作業ではなかった。音声での操作は、どんな人が話しかけても反応することが求められる。そこで、社内にいる男女社員のみならず、社員の子供や親など、あらゆる世代の声を録音し、声のサンプルを集め回った。
その問題の解決が見え始めた頃、さらなる課題が襲ってきた。それはEMSの強度。筋肉への刺激で感じる痛みの強さは男女で差がある。一度でも不快に感じると、その後は二度と使わない人もいる。強弱の微調整を重ねた結果、最弱から最強までの刺激を9段階にし、最弱のレベル1では刺激を極力抑える設計にした。
「この時点ではまだ中国語のチップを使っていたので、中国語をカタカナで書き、中国語で操作しながら調整していきました」と、開発担当者は笑顔で語った。
さまざまな苦労を乗り越え、ついに5月の発売にこぎ着けた。デザインも先進的。声で指示するだけで、首元も気分もスッキリする。
【『モンデール スマートネック』ヴァルテックス】
「もっと強く」「モード切り替え」など、決められた音声認識ワードで話しかけるだけで、自動で操作設定してくれる。約幅170×奥行き155×高さ75mm、約220g。オープン価格(実勢価格約1万3500円)。
※女性セブン2019年5月23日号