皆さま、綾小路きみまろ、久々の登場でございます。私の『きみまろ「夫婦川柳」傑作選』(小学館)の第3巻が発売されます(5月27日頃発売)。
『夫婦川柳』も1巻目は「売れないと一巻の終わり」といわれましたが、はや3巻目。皆さま! 今や『3巻』という言葉はテレビ番組の『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)で、トレンドになっています。
「きみまろさん、それって『3巻』ではなく、山の中の『山間』にある、ポツンと一軒家でしょ?」
失礼いたしました! そんな奥様から、こんな一句が。
【新元号 『令和』に決定 アレ、いいわ!】
「『れい』は『綺麗』の『れい』だし、『わ』は『若い』の『わ』。私にぴったりだわ!」
これには、さっそくご主人が反論です。
「キミの場合、『れい』は、ゼロという意味の『零』で、『若い』の『わ』なんてのは『誤解』だよ」
「何よ! 美しさゼロで、年寄りだっていうの! 罰として、これからお風呂の掃除はアナタの当番ね!」
「ホラッ、すぐそうやって指図する。キミの『令』は『命令』の『令』だよ」
ご主人、ため息まじりにボヤきます。
【今のオレ 妻のスーパーボランティア】
スーパーボランティアとして大活躍の尾畠春夫さん(79才)。
「妻専用のオレとは大違いだ」
ご主人のため息は止まりません。
「アナタ~、何してんの? ため息をつく暇があったら、外の洗濯物取り込んでよ。雨が降ってきたから」
「ハイ、ハイ…」
「ハイは1回でいいの!」
家事に這いずり回るご主人なのです。奥様はというと「イヤだわ~、最近、ちょっと太ったみたい」と、お腹のぜい肉が気になり、体重計の前へ。
「できるだけ、フワッと空中に浮いているような感じで乗るといいのよ」
自分に言い聞かせ、体重計に乗る奥様。その姿を眺めつつ、ご主人が一句。
【体重計 そーっと乗っても デブはデブ】
「女心がわかってないわね!」
お怒りの奥様。
「体重計に片足だけ乗っけて“20代の頃はこれくらいの重さだったのよねぇ”と当時を懐かしむ。そして、躊躇しつつ、決心をして両足を乗っける。その時の恐怖、男のアナタにはわからないでしょう?」
奥様の怒りは止まりません。
【チコちゃんに 叱ってほしい ボケ亭主】
NHKの番組『チコちゃんに叱られる!』が大人気ですが、奥様に責められ、たまらずトイレに逃げ込んだご主人に奥様が追い討ちをかけます。
「オシッコは慌てないでするのよ! 昨日もパンツを濡らしちゃったじゃないの。誰が洗濯すると思ってるのよ?
ボーっと生きてんじゃねーよ! アナタもチコちゃんに叱られればいいのに!!」
タジタジのご主人、ここまで言われては、笑いでその場を和ませるしかありません。
「のどが渇いたよ。温かいお茶、あったかい?」
「お茶を一杯、ちゃの(頼)みます」
「お茶を飲むオレって、お茶目?」
──ダジャレの3連発に奥様だけでなく、娘さんもうんざり顔で一句。
【お父さん ダジャレ連発 “ドン引き家族”】
「家族の絆も、父親の威厳も、まだ映画の『万引き家族』の方が上、行ってるよね」
娘さんまで奥様の味方とは多勢に無勢。私、きみまろがご主人の味方をするしかなさそうです。
※女性セブン2019年5月30日号